予防
大抵の方が、歯や歯ぐきの状態が悪くなることが、あごの骨に影響することをご存じないかと思われます。
最近になり、歯みがき剤のCMや広告などで「歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けます」とやっているものもありますので、多少認知度は上がっているかもしれません。
以前抜歯のお話しをしましたが、歯を抜く時は骨と歯の間にくさびを打つような感じで外して行きます。
それくらい通常の健康な歯は骨と密接しており、お互いに強い影響があります。
歯そのものが傷んでなくても、歯ぐきの状態が悪いことにより骨が溶け、歯が抜け落ちることや、抜歯の際に骨密度の低い骨粗しょう症の方は骨が新生しにくいため、治りも時間がかかります。
骨粗しょう症…こちらも最近ではよく耳にしますよね。
30歳代後半をピークに骨量は減少し、全身の骨が劣化することは、男女問わず誰にでも見られる傾向です。
その症状が重い場合は骨粗しょう症と言われます。
転倒などで簡単に骨折したりするため、寝たきり状態になりやすいと言われています。
また閉経後の女性では、重度の骨粗しょう症ほど歯周病によって早期に歯を失い、総入れ歯になるという報告もあるそうです。
それほど歯と骨の関係は深いものなのです。
こんにちは、かよ歯科クリニック歯科衛生士の小池です。
先日、名古屋で歯科衛生士を対象とした勉強会があり、同僚のかよ歯科クリニック歯科衛生士・牧原と共に参加させていただきました。
本を出版している有名な先生方の講演もあり、その中で『酸蝕歯』のお話がありました。
皆さん、『酸蝕歯』という言葉を聞いたことありますか?
虫歯は虫歯菌が作り出す酸によって歯が溶けてしまうのですが、酸蝕歯は酸性の食べ物や飲み物で歯が溶ける状態をいいます。
歯が溶ける濃度は、ph値5.5といわれています。それより酸性度が強いと(ph値が低ければ低いほど)歯が溶けることになります。
講演の中で実例にあげられた健康志向の高い患者さんは、健康のためにクエン酸を薄めて毎日2リットル飲用していたそうです。
クエン酸の効能は、疲労回復・血流を良くし高血圧・頭痛改善と確かに体に良さそうです。
しかしph値3以下で、かなり酸性度が強いことになります。
これを食事や間食の合間に飲んだらどうなるでしょうか?
常にお口の中は酸性に傾いたままです。…ということは、酸によって歯が溶けていくのです。
他の実例では、以前から歯みがき時に歯ブラシ・歯間ブラシ・ワンタフトブラシなど、約6種類の清掃器具を用いて、お口の清掃状態も良好な患者さんですが、ある時から酸蝕歯が見られるようになりました。
原因を探ると『強酸性水』を使い洗口するようになったことのようです。強酸性水は殺菌作用がありますが、ph値は2.7以下になります。
このように体にいいことでも、高頻度に摂取すると歯には悪影響を及ぼすことがあります。
他の食物や飲料ではどうでしょうか?
レモン ph2.1 / グレープフルーツ ph3.2 / スポーツドリンク ph3.5
コーラ ph2.2 / 黒酢 ph3.1 / ビールph4.1 / 柑橘系サワー ph2.7 ‥等
水分補給に飲むスポーツ飲料、ビール・サワーで晩酌なんてことは通常のみなさんの生活においてもよくあることかと思いますが、これらも酸蝕歯に注意する必要があるのです。
上記のような酸性度の強い物を飲食した後は、水で口をすすいだり、お茶を飲むようにして、お口の中を中性に戻すことを心がけましょう。
こんにちは、かよ歯科クリニック歯科衛生士の小池です。
前回お話しました『はつらつ健康教室』で参加者のお口の状態を診てみると、入れ歯に歯石が付いているのが気になりました。
それも入れ歯を使用している方の半数以上です(@_@;)
入れ歯のお手入れ方法を伺うと「夜ははずして入れ歯洗浄剤に浸けておくわ」と言っていましたが、よく聞いてみると…ブラシで入れ歯を磨かずに、はずしたらそのまま洗浄剤に浸けているとのことでした。
確かにテレビでのCMを見ていると、すごい洗浄力がありそうに感じます。
でも、入れ歯も自分の歯同様にブラシで擦らないときれいになりません。
普段使用している歯ブラシでもいいですが、入れ歯専用ブラシ(かよ歯科でも販売しております)もあります。
入れ歯専用ブラシは毛がすごく硬いので、高齢者の方でも力を入れずにきれいに磨くことができます。
ただし気を付けていただきたいのは、歯磨き剤をつけて擦るのは止めてください。
入れ歯の表面に傷がつき、その細かな傷に細菌が付着しやすくなります。
流水下でブラシを使って擦り洗いし、汚れを落とします。
歯の表面の凹凸、歯ぐきと接触する面、バネの部分などすみずみまで洗った後、水または入れ歯洗浄剤に浸けてください。
メーカーによって浸け置き時間などが違いますので、説明書でご確認ください。
入れ歯は乾燥すると変形したり、ひび割れたりするため、はずした際は必ず水に浸しましょう。
もし、歯石が付いているようでしたら、クリニックできれいにお掃除しますので、ご来院いただければと思います。