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抜歯のセンス

みなさん、抜歯ってどうやるか知ってますか? マンガみたいにペンチでつかんで引っこ抜くとか? グラグラで抜け落ちそうな状態であればそれでも抜けるでしょう。 でもしっかり生えている歯を抜く場合は、歯とあごの骨の間にくさびを打つようにして、徐々にあごの骨から歯を浮かすような感じで抜いていきます。 ほとんどの方が「え?!骨?」と驚かれるかと思います。 歯の1本1本、またその根っこの1本1本に神経や血管が通っています。 歯を抜くということは、その神経や血管を絶つことになりますので、出血もしますし、麻酔が切れると痛みが出たりします。 また、抜歯後の処置がいい加減だと、出血が止まらなかったり、治癒不全やあごの骨の中に膿の袋を作ることもあります。 抜歯する際、力任せに抜こうとすると、隣の歯やあごの骨を痛めることがあります。 私は左右両方とも利き手なので(普段、箸は左でペンは右)、狭い口腔内でも両手を駆使し、手の感覚を研ぎ澄ませて慎重に行っています。 ただ、抜歯は数をこなせば上手に抜けるというわけではなく、この感覚が重要なのです。 一言でいえば、「抜歯ってセンスです」(…というか歯科治療全般かなりこのセンスが影響するものだと思います。) このセンスがない歯科医師にあたると、痛かったり時間もかかったりして、はたまたお財布までにも響きますよ~(~_~;)(簡単に抜ける歯でも難抜歯という項目で算定されて保険点数アップ=会計アップなので)。
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