こんにちは、かよ歯科クリニック歯科衛生士の小池です。
先日のお話しした『がん治療、口から食べて人間らしく乗り切りたい!』の講演で、いくつかの業者さんがサンプルを配布していました。
↓その中にあった大きな綿棒です。
下にあるのが一般的な普通サイズの綿棒。
こんな大きな綿棒を皆さんは、ご覧になったことありますか?
これは、口の中を清掃する道具なのです。
麻痺などで、舌や頬・唇の機能が低下すると、舌の表面・唇や頬と歯ぐきの間に食べかすが残りやすくなります。
舌は以前紹介した舌ブラシを使っていただき、唇・頬と歯ぐきの食べかすは写真にあるような大きな綿棒やスポンジのついたブラシできれいにします。
この綿棒やスポンジの先端を水で濡らし、手でギュッと絞ります。(これは水が誤嚥(ごえん=誤って気道にはいること)しないよう固めに絞る)
上の歯ぐき、頬・唇の間 ⇒ 上あご ⇒ 舌の歯ぐきと頬・唇の間と、上あごから下あごの順番に奥から手前に清掃していきます。
こうしてやる理由は、食べかすなどの汚れを誤嚥してしまうと、それが原因で誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があるからです。
この清掃法は、栄養補給を鼻腔栄養や胃ろうなどで、お口から食べていない方にも必要です。
口の周りの様々な機能も低下しているので、唾液の自浄作用はほとんどなく、粘膜の新陳代謝や痰などの粘液で口の中が不衛生になりやすく、細菌によって全身の感染症を起こすリスクも高くなるからです。
ご紹介した大きな綿棒やスポンジブラシは、介護用品を販売しているお店にあります。
詳しい使い方など、声をかけていただければご説明します。